■登場メンバープロフィール

海斗:LOVST TOKYO代表。趣味は愛猫のキヌアと戯れること。

アシュリー:コミュニティマネージャー。オランダ出身でヴィーガンについての知識が豊富。

すみれ:大学生インターン。旅行と料理が趣味。
そもそも「ヴィーガンファッション」って何

こんにちは! LOVST TOKYO代表の唐沢海斗です。YouTube連動企画「ヴィーガンファッション講座」では、毎回テーマを決めてメンバーと一緒にヴィーガンファッションについて勉強していきます。今回はヴィーガンファッションの知識が豊富なアシュリーと、すみれさんを召喚しました!

コミュニティマネージャーのアシュリーです! よろしくお願いします。

インターンのすみれです! 普段は大学に通っていて、菜食中心の生活をしています。ヴィーガンファッションについてまだまだ知らないことが多いので、今日は楽しみです。よろしくお願いします!

では早速、本題に入る前にアシュリーの方から「ヴィーガンファッション」とは具体的にどんなものを指すのか、説明してもらってもいいかな?

簡単に言うと、動物由来の素材を使った衣服を身に付けないライフスタイルのことです。レザーやシルク、ダウンなど、ファッションは食品と同じように動物由来の素材を使ったアイテムが多い。だから今、動物愛護の観点でヴィーガンファッションを選択している人が増えてきているんだよね。

そうだね。最近では、自己表現の一部としてカジュアルにヴィーガンの概念に共感してライフスタイルに取り入れている人も増えているよね。それこそ、すみれさんのようなZ世代の人は上手に向き合っているイメージがある。

そうかもしれません。あとは、環境問題に興味を持ったことをきっかけにヴィーガンに目覚める人もいますよね。


ヴィーガンレザー=環境に優しい素材とは限らない

さて、ヴィーガンファッションを取り入れる上でいくつかポイントがあるんだけど、今日は「レザー」について話そうと思います。すみれさん、レザーアイテムは何か持ってますか?

持ってます。ヴィーガンを意識する前に購入したお財布がレザー製です。

お財布はやっぱりレザーが一般的だよね。そのお財布は何の皮で出来てるの?

うーん。何の皮なんだろう? 高級感があるから、恐らく牛かな。デザインが気に入って買ったんですけど、そこまで気にしてなかったです。

なるほど。ちなみに、牛以外にもレザーはたくさんの種類があるけど、他にはどんな動物性レザーがあるか知ってるかな?

ワニとかヘビとかですかね?

うんうん。それ以外にもいくつかあって、日本国内でよく使われているのは牛に次いで豚と鹿かな。

鹿のレザーは知らなかったです! 素朴な疑問なんですけど、動物から剥いだ皮ってそのままレザーとして使えるんですか?

そのままでは商品にはできないね。生きていた動物なので、放置すると臭くなっちゃうから。毛を取った段階で皮が固くなるので、それを柔らかくするために液体につけて加工をする必要があるの。

あ〜! それが一般的に言われている「なめし」だね。

そうそう。ちなみに、なめしにはいくつか種類があって、代表的なのは「植物タンニンなめし」と「クロムなめし」。昔は植物タンニンなめしが一般的だったんだけど、加工に時間がかかってコストパフォーマンスが悪いから、今は世界的に「クロムなめし」を行っている企業が多いと思う。

なんか、イメージ的に「クロムなめし」の方が環境に悪そうですね。

そうだね。やっぱりクロムは化学薬品なので環境汚染にも繋がるし、加工所で働いている人たちにも健康面で影響があるんだよね。直接、手で作業してるから。

そうだよね。バングラディッシュの工場で、手や足を突っ込んで作業している映像を見たことあるよ。工場排水もあり得ない色になってるよね。

私も見たことあります。良い労働環境とは言えないですよね……。

そういった環境や社会問題に気づいた人が、合成皮革や人工皮革の「ヴィーガンレザー」を取り入れるようになってきたよね。

ヴィーガンレザーは、環境への影響はどうなんですか?

そうだね。でも、動物を殺さないという意味ではヴィーガンの観点から考えるとすごく良い素材だし、天然皮革と比べると使用する水の量やCO2の排出量を削減できるメリットがある。だから、ベストではないけど“ベターな選択”だとは思うよ。


より良い選択肢として注目される「植物由来のバイオレザー」

ところで、すみれさんは「植物由来のバイオレザー」って聞いたことあるかな?  合成皮革や人工皮革などのヴィーガンレザーに比べて、より良い選択肢として注目されてるんだけど。

あります。リンゴやパイナップル、サボテン由来のレザーのことですよね。

お〜勉強してるね。どんなところで情報取集してるの?

SNSでそういう製品をチェックしたり、LOVST TOKYOのコーポレートサイトで記事を読んだりしました!

ありがとう。 めちゃくちゃ宣伝ぽくなっちゃったけど(笑)

前から気になってたことがあるんですけど、植物由来のバイオレザーはどうして100%生分解性(※)じゃないんですか? 植物由来なのに完全に生分解しないなら、合成皮革のようなヴィーガンレザーとあまり変わらないですよね。

(※)バクテリア、菌類、その他の生物によって化合物が無機物まで分解されること。

技術的に100%生分解可能なレザーをつくることがまだ難しいんだよね。でも、例えば「アップルスキン」は本来廃棄される予定だったリンゴを素材に使うことでゴミの削減に繋がっているし、そういった意味では環境問題に貢献できている素材だと思います。

確かに。サステナブルな素材ですね!

わざとらしくLOVST TOKYOの開発中のサンプルを取り出した代表(笑)

ちょうど今、アップルスキンでつくったリュックのサンプルがあるんだけど、触ってみた感じとかどうかな? レザーと比べて。

すごい柔らかい!

動物性レザーに見劣りしないよね。

うんうん。普通にレザーに見えると思う。

言われなければわからないですね。

さっきアシュリーがチラッと説明してくれたけど、アップルレザーはイタリアの果樹園でジュースにした後のリンゴの搾りかすが大量に廃棄されていた問題を解決しようと生まれた素材なんだよね。

確か、リンゴの搾りかすをパウダーに加工して他の成分と混ぜてるんだよね。

そうそう。全体の成分の約3割くらいかな。少しでも天然成分の割合を多くすることで、より環境に優しい選択肢を増やしたいっていう。

そうだね。色々な合成皮革がある中でも、アップルレザーは環境問題に配慮する上で本当により良い選択肢のひとつだと思う。

そうですね!

よし、今日はここら辺で終わりにしましょうか。すみれさん、今日学んだことを振り返ってみてどうですか

レザーについてこれだけ深堀するのは初めてだったので、新鮮でした。ヴィーガンレザーだから100%環境に優しいわけではないということも知れたし、その中でもより良い選択肢としてバイオレザーがあることを改めて認識できました。植物由来のバイオレザーの良さをもっと皆さんに知っていただきたいなと思いました!

海斗:そうだね。今後も「ヴィーガンファッション講座」をYouTubeやマガジンで定期的に更新していく予定です。ぜひ次回も楽しみにしていてください! YouTubeへのチャンネル登録やコメントもお待ちしています。


▶︎ヴィーガンファッション講座 Vol.0「ヴィーガンと社会問題を考える」

▶︎ヴィーガンファッション講座 Vol.1 レザー編