フルーツレザーとは?
フルーツレザーは、廃棄される果物から耐久性のあるレザーのような素材を生み出します。廃棄される予定の果物をアップサイクル しているので、新たに資源を使用する必要がありません。また、原料の果物は全てオランダの果物輸入業者から収集しているため、国内で供給から製造までを行っています。
開発背景
フルーツレザーを開発したのは、オランダのロッテルダムに拠点を置く二人の若きデザイナーKoen Meerkerk(26)とHugo de Boon(26)です。彼らのビジョンは、食品廃棄物問題の認識を広めることだけでなく、一般的な廃棄物をどのように積極的に使用できることを証明することです。具体的には、フルーツレザーを靴やファッションアクセサリーにして、インテリアや家具業界で使用できるようにすることを目指し活動しています。 果物と革の2つの世界が結合され、果物産業の廃棄物が汚染された革産業の世界を根本的に変えることが彼らのヴィジョンでもあります。
フードロス問題
毎年、世界中で13億トンの食料が捨てられています。この量は全体の約3分の1にあたり、私たちが消費のために生産するすべての果物の45%も含んでいます。また、地球の30%の農地は、最終的には廃棄される食品を生産するために使用ことになり、農家はスーパーマーケット等への出荷の基準を満たさないため、収穫の最大40%を畑に残す傾向があります。
先進国とフードロス
先進国では、消費者向けに生産された食品が無駄になる理由はいくつかあります。この理由の多くは、小売店がその見た目のために食品を廃棄してしまうためです。先進国で排出される温室効果ガスの全体の10%は、食べられない食物を生産することによって排出されています。 また、食品廃棄物の問題に加えて、動物皮革の生産も環境問題です。毎年、10億匹以上の動物が屠殺され、皮革を製造するための洗浄プロセスにより、世界全体で約6億5000万キロのCO2が発生しています。 今、果物の廃棄物を残渣としてではなく、レザーに変わる代替品としての貴重な原料として考える必要があるのではないでしょうか。
フルーツレザー製法プロセス動画を動画でご紹介
まとめ
長年にわたり、廃棄の果物から革のような素材を作り出す技術を開発してきたフルーツレザーがついに実用化可能な段階にまでたどりつきました。すでに靴やハンドバッグ、その他の製品の商品化が進んでいるようです。
フード・ロス問題や環境問題を解決する新たなソリューションとなり得る「フルーツレザー」。いつか若い2人のデザイナーの夢がかなった時、世界は良い方向に大きく変わっていることでしょう。今後も彼らの活動に注目していきたいですね。