コルクとは?
ワインボトルのコルク栓やコルクボードなど、私たちの生活に馴染み深い素材の「コルク」。素材コラム第二弾は、コルクについて勉強していたいと思います。
南ヨーロッパから北アフリカにかけての地中海地方に広く分布している、コルク樫の木の表皮下にある、厚さ8cm前後の海綿質の層から取れる素材です。世界一の「コルク」産出国ポルトガルは、世界の総生産の5割にあたる20万トンものコルクを毎年生産しています。コルク樫は、植樹から20年前後で成木となり、そこから9年に一度のペースで「コルク」を採取することができます。コルク樫の寿命は150〜200年と言われており、なんと一本の木から約15〜18回程の採取が可能なんです。
コルクはなぜエシカル?
難枯渇性資源に属しているコルク樫は、下記3点の理由からエコの観点から非常に高い評価を得ています。
1. 一本の木から何度も採取できる
「コルク」は一本の木から一度採取したら終わりではありません。「コルク」の場合、樹皮を剥がすだけで生産できるので、木自体を切り倒す必要がなく、剥がした樹皮が再生する度に繰り返し「コルク」を採取できます。述にもあるように、コルク樫の再生サイクルは約9年、寿命は150〜200年で、異本のコルク樫から、約15〜18回程の採取が可能です。
2. 通常の3〜5倍のCO2を吸収
「コルク」採取の為に樹皮を剥がされた木は、その樹皮を再生する為に通常時の約3〜5倍のCO2を吸収します。これにより、採取のできない期間もCO2の削減に貢献しています。
3. 無駄の出ない仕組み
「コルク」というとワイン栓のイメージがありますが、それ以外にも、ファッションや建築材、宇宙産業に至るまで、非常に多彩な用途で使用されています。ワインボトルの栓の形をくり抜かれた後の「コルク」は、細かく粉砕してシート状に。それらが、バッグやコルクタイルへと変身していきます。採取された「コルク」のほぼ全てが廃棄されずになんらかの形で使用されるのです。
これらの点から、「コルク」は非常に環境に配慮されたエシカルな素材だと言われています。
コルク素材のメリット
「コルク」は環境に良いというだけでなく、素材としても多くのメリットを持っています。
丈夫
「コルク」はタイルなどとして建材に利用されるほど丈夫な素材です。
アパレル商品に使用される際は表面に加工を施しますが、それによってさらに耐摩耗性等の強度が増し、買った時の美しさのまま使い続けることができます。
軽量
「コルク」は、その構造の50%以上が空気で出来ていると言われています。そのため非常に軽量であり、特有の弾力や柔らかさも兼ね備えています。
耐水性
コルクには撥水性があるため、水に強いです。ワインの栓に使われていることからも、優れた耐水性は想像がつきますね。
水拭きで汚れを落とすことができるので、アパレル商品としてもお手入れが簡単です。
もちろん、「Veganである」というのも大きな魅力の1つです。
まとめ
「Veganファッションはレザーなどの動物性素材が使えない」と聞くと、選択肢の幅が狭められファッションを楽しめないように感じてしまうかもしれません。しかし、今回ご紹介したコルクのように、まだ私たちが知らないだけで、実際は機能性にもデザイン性にも優れた魅力的な素材が世の中には溢れています。
ただ単に環境や動物に優しいというだけでなく、見た目も可愛くて機能的、そんなバイオベース素材を、これからもお届けできればと思います。
参照元:http://www.wineanorak.com/corks/howcorkismade.htm
:https://moddanio.co.uk/blogs/news/what-makes-cork-so-special
:eco