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ヴィーガン市場の分析と今後の動向を調べてみた

目次

ヴィーガン業界の市場分析

こんにちは!LOVST TOKYOの唐沢です。
今日はヴィーガン関連の業界をアパレル、コスメティック、食品、インバウンドに分け、それぞれの業界規模と今後の動向に注目してみたいと思います。


ヴィーガン業界の市場分析①

アパレル

コンサルティングファームGrand View Research によるとフォーレザー(天然皮革に変わるレザー素材)マーケットは、2025年に8兆5000億円にまで成長すると予想されています。また、同社によると、アニマルフリーの素材を好む消費者の増加、テクノロジーによるフォーレーザーの品質の向上が、成長の要因になると言われています。

ファッションブランドは、カバンや靴などのスタイリッシュなヴィーガンアクセサリーの大きな需要に注目し、見た目に引けを取らず、機能的なレザーは、サスティナビリティかつ動物に対してアニマルフリーの素材に注目しています。

特にヨーロッパや北アメリカでは、アニマルフリーな商品が急成長しています。また、その一方で、天然皮革産業は、アニマルライツの制定が障壁となっており、PETA、PAWS、WWF等の団体が主導するプログラムによって、消費者における動物保護の意識が急成長しています。今、天然皮革に変わる人工素材で消費者に対応していくこともアパレルブランドには強く求められている傾向にあるようです。

日本のアパレル市場

ちなみに日本のアパレルの市場規模は約20年間で3分の2(1991年の15.3兆円から2013年には10.5兆円)に縮小しました。その一方で、供給されるアパレルの数量は20億点から、39億点に増加しました。過剰供給が起こり、市場には同質化した商品で溢れています。また、アパレル市場全体は縮小しているものの、チャネル別ではECの拡大し、2016年度のアパレル市場規模は、9兆2202億円にもなりました。販売チャネル別の小売市場規模は、百貨店が同6.5%減の1兆9265億円、量販店は同7.2%減の8584億円、専門店は同0.4%増の4兆9826億円、その他(通販等)は同2.7%増の1兆4527億円となっています。


ヴィーガン業界の市場分析②
広がりを見せるヴィーガンコスメ

コスメティック

ビーガン化粧品の世界市場が2025年には208億ドルに達するという見通しをグローバル市場調査会社グランドビュー・リサーチは発表しました。2018年から2025年の7年間でビーガン化粧品市場は6.3%の年平均成長率(CAGR)で成長すると予測し、ヨーロッパ諸国では、動物実験をした化粧品の販売を禁止するほか、 毛髪、毛皮などの動物製品の使用が禁止される方向へと進んでいます。ヨーロッパの動きがグローバル市場に及ぼす影響は大きく、より安全で自然由来の化粧品への人気が高まり、市場が拡大することが予想されています。市場の成長を促進させる大きな要因の一つとして、ミレニアル世代など若い世代からの需要が急増することが予測されているようですね。


ヴィーガン業界の市場分析③
美味しさにも定評のあるBEYOND BURGER

食品(関連市場)

植物性たんぱく質製品(大豆、小麦、豆、菜種、ポテト、コメ、コーン他に由来)の市場規模は2022年に1兆円規模に成長します。(MarketsandMarkets社調べ)。その中でも、植物性肉の市場は、2023年に64億ドルに達するそうです。(現在46.3億ドル、年率6.8%の成長率。)アメリカの小売全体の売りは、微減しましたが、植物性食品だけは、前年比8.1%の伸びがあります。また、米国では、ミレニアル世代の3割は毎日ヴィーガン肉を食べる習慣があり、植物性肉を選ぶアメリカ人の一番の理由は「味」で(52%)、健康(39%)、環境(13%)、動物愛護(11%)、菜食主義(10%)を上回っています。


ヴィーガン業界の市場分析④

インバウンド(関連市場)

菜食に特化したグルメ情報メディアVegewel(https://vegewel.com/ja/)によれば、2017年の訪日ベジタリアンの市場規模は416億円にもなる。また、東京オリンピックのある2020年には、訪日ベジタリアンの市場規模は582億円になると予想されています。(4000万人予想)

その他・ヴィーガン関連の企業動向

・英大手スーパーマーケットのテスコが英国600店で20種類のヴィーガン用総菜シリーズ「Wicked Kitchen」を投入。

電気自動車のテスラが、新型のSUVモデルの内装に皮革などの動物性素材を使用しないヴィーガン向けオプションを動物愛護のNGOと協働して提供。

・アメリカでは「Veggie Grill」といったヴィーガン用チェーンレストランが展開されている他ほか、ニューヨークやロンドンなどでは中華料理からクレープ屋まで、多くのヴィーガン向けレストランが登場。

・大手ファーストフードチェーン、ドミノ・ピザは2018年1月からオーストラリアの店舗でヴィーガン用モッツアレラを使用したピザ3種の販売を開始。

・ヴィーガンの対極を歩むように見られるマクドナルドでさえ、スウェーデンとフィンランドの店舗で大豆を材料としたハンバーガー「マックヴィーガン」を発売。

・航空会社のジェットスターやアメリカン航空で、機内食に「ヴィーガン用」を導入。

・2018年1月のキャンペーンのヴィーガンキャンペーン登録者数は、事前登録だけで11万5000人と過去最高を記録し、2014年当初の3300人から大きく拡大した。

まとめ

ヴィーガン市場の経済効果は「ヴィーガノミクス」と呼ばれるまでに拡大しているようです。また、ヴィーガン市場を支えているのは、ピュアなヴィーガンだけではなく、肉以外は食べる広義の「ベジタリアン」や、時々肉も食するフレキシブルな菜食主義者「フレキシタリアン」も、ヴィーガン市場の拡大に貢献しています。

日本でも最近ヴィーガン専門のお店が増えたり、「東京オリンピック」に伴うインバウンド需要対策のためか、メニューにヴィーガンオプションを増やし対応するレストランも増えてきています。また、大手食品メーカーが商品の開発に着手するなど、スーパーマーケットでも大豆で作ったお肉「ソイミート」が普通に売られるようになりました。

これから日本でも「ヴィーガン」という言葉が当たり前になるくらい私たちのライフスタイルとして浸透する日がそう遠くないかもしれませんね。

LOVST TOKYO 代表 唐沢

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この記事を書いた人

海斗@林檎の人のアバター 海斗@林檎の人 LOVST TOKYO代表

1991年⽣まれ。栃⽊県出⾝。「ヴィーガン」を受け入れられなかった自分の原体験から、LOVST TOKYO(ラヴィストトーキョー)を創業。ファッションの力で多様な価値観の浸透と「畜産業」由来の社会課題の解決を目指して活動しております!

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