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レザー(天然皮革)について知ろう!レザー(天然皮革)の特徴、産業、潜む問題について

皆さんはいくつレザーアイテムを持っていますか?またよく耳にするこの「レザーアイテム」という言葉。そもそもレザーってどんなものなのか皆さんはご存知でしょうか?

普段から特に意識をせずに使っている人も意外と多いのではないでしょうか。そこで本記事では、レザー(天然皮革)がどのように作られていて、どのような特徴をもっているか。

そして最後にレザー産業が抱える問題についてまとめました。 レザーという素材の特徴やその背景についてしっかりと理解を深め、商品選びの際にお役に立てればと思います。

目次

レザーとは?

レザーとは?

そもそもレザーとはどんな素材のことを指すのか、皆さんご存知でしょうか?いわゆる「本革」や「天然皮革(ひかく)」と呼ばれるもので、牛や豚などの動物の皮に「なめし」という加工処理を施したものを指します。

レザーの特徴

レザーの特徴

レザーの特徴としては、耐久性に優れ劣化しにくいということが挙げられます。丁寧にきちんと手入れをして10年以上使い続けている方も中にはいます。また、経年変化を楽しめることも大きな特徴です。使い続けることで、色や触り心地が変化し味わいが生まれてきます。

レザーの種類

レザーの種類

天然レザーにも様々な種類があります。代表的なものとその特徴についてご紹介します。

カウレザー(牛革)

牛は飼育数が多く、一頭から採れる面積も大きいため、牛革が最も一般的に使用されています。シワが少なく上品な質感が一番の特徴です。また皮が厚く、強度と耐久性に優れています。

ホースレザー(馬革)

牛革に比べて、厚みや耐久性は劣りますが、キメが細かく滑らかな手触りが特徴です。艶があり上品なので、ジャッケットや財布、家具など幅広く使われています。

ピッグスキン(豚革)

日本で唯一生産から製造まで行なっている皮革です。生地が薄く軽いのにも関わらず丈夫なのが大きな特徴です。また、多数の小さな毛穴が空いているため通気性に優れており、バックの内装や靴の中敷に多く使われています。

ゴートスキン(やぎ革)

シボ模様と呼ばれる表皮の凸凹模様が特徴的であり、美しい革の表情を楽しむことができます。また、しなやかな肌触りも特徴です。凹凸があることで牛革よりも摩擦に強く丈夫なため高級ブランドでもよく使われています。水や湿気にも強く、手入れも簡単であることからグローブなどにも使われています。

シープスキン(ひつじ革)

キメが細かく、柔らかな質感が最大の特徴です。牛革などに比べて耐久性には劣りますが、肌に吸い付くようなしっとりとした質感になっています。毛の質感を生かして加工されたものはムートンと呼ばれます。

レザーの産業について

ここまで天然レザーの特徴について説明してきましたが、どのような工程を経て私たちの手元にレザーアイテムとして届けられているのかご存知でしょうか?動物から得られた原皮がどのようにレザー製品として生まれ変わるのか簡単に説明します。

レザーの産業について

●原皮

使われる原皮は食肉加工過程で生まれる副生産物でありますが、食肉産業の連産品として生産されているという見方もできます。また、日本では原皮のほとんどが輸入されています。得られた後は塩漬けの状態で腐敗しないように保管されています。

●水漬け&脱毛・石灰漬け

加工を始める前にまず塩漬けで保管されている原皮を大量の水に漬け、塩分や血液などを取り除きます。また塩漬けで脱水状態となっている原皮に水分を与えることで元の皮の状態へ戻します。また、石灰処理により不要な組織を除去するなど、加工しやすい状態へ整えていきます。

●背割り

加工準備の整った皮は背骨に沿って左右半分に分割されます。面積の大きい皮も扱いやすい大きさとなります。

●鞣し(なめし)

なめし剤を皮に浸透させ、コラーゲン繊維と結合させることで皮に耐久性や耐熱性などをもたらします。この工程によりただの「皮」が「革」へと生まれ変わります。

●革漉き(かわすき)

革を乾燥させたのち、革の厚みを均等にするために革を漉く(すく)作業を行います。この工程が軽量化やその後の加工のしやすさへと繋がります。漉いた後に再度革を伸ばし柔軟性を与え、乾燥させていきます。

●染色

染色剤が均等になるようにアルカリ剤で加工したのち、染料で染色していきます。スプレーによる染色と、染料に漬け込む方法の2つがあります。

●加工仕上げ

機械を使用してツヤ出しやアイロンがけなどを行います。注文に応じて型押しなどの加工が行われます。その後計量し梱包後、出荷されます。

なめしについて

革の製造工程でもっとも重要な工程であるなめしについて、もう少し詳しく説明していこうと思います。革を柔らかくすると書いて「鞣し(なめし)」と読みますが、その通り、原皮を製品として扱うために柔らかく加工する工程です。動物の皮は天然のものであるため、薬品や植物の樹液などで加工処理を行うことで腐敗や乾燥などの欠点を補います。

代表的な方法としてクロムなめしとタンニンなめしが挙げられます。

なめしについて
なめしによる加工処理(https://muuseo.com/square/articles/186より)

タンニンなめし

植物から得られる水溶性の化合物であるタンニンをなめし剤として使う方法です。起源は古代エジプトまで遡ります。丈夫で吸湿性があり、また染料の吸収もよくなることがメリットです。しかし、他の手間と時間がかかるのがデメリットでもあります。

クロムなめし

塩基性硫酸クロムと呼ばれる化学薬品を使った方法で、手間と時間がかからないため、現在でも8割以上のレザー製品に使われているのがこのクロムなめしによる方法です。100年ほど前にドイツで開発され、柔らかく頑丈な革が完成することが特徴です。

天然レザーに潜む環境問題

天然レザーは副産物である動物の革を使用しているためエコな素材だと思われがちですが、実は環境や人々の健康を壊しているという側面もあります。

天然レザーに潜む環境問題

クロムなめしによる環境汚染

加工のしやすさから多くのレザー製品に使用されている使用されているクロムなめしですが、クロムなめしで加工された製品を焼却すると発ガン性物質などの有害性物質が出るという報告があり環境や人体への影響が問題視されています。また、中国やインドでは製造工程の化学薬品で汚染された水が適切な処理をされることなく河川に流れていることも大きな問題となっています。周辺地域の農作物にも影響が出ており、農業を営む人への健康被害も広がっています。

大量の水を使用するレザー産業

革を加工する過程でも、大量の水を使わなければなりません。牛を育てる過程まで含めると牛革1kg作るのに、およそ17100リットル必要であると言われています。そのため、水資源が豊富な場所で加工が行われることが多いです。

二酸化炭素排出

レザー生産におけるCFP(カーボンフットプリント)表したデータによると、レザー1/m2あたり110kgの二酸化炭素を排出すると言われています。これは合成レザーの生産時に排出する二酸化炭素(15.8kg)と比べて約7倍ほど大きな排出量になっています。

まとめ

天然レザーは長く使うことができ、素材によって様々な風合いを楽しむことができる素敵な素材ですが、そのレザー自体がどのような工程を経て出来上がった製品なのか、しっかりと理解した上で購入を検討する必要があるように感じます。もしかすると生産管理の行き届いていない工場で、安価に大量生産されているレザー製品を用いることは、気持ちの良い消費とは言えないのかもしれません。

また、レザーアイテムを取り扱うブランド側もしっかりと情報開示していくことで、消費者と良い関係を築いていけるのではないでしょうか。そして、私たちLOVST TOKYOも「透明性」を大切にこれからもブランド運営に励んでいければと思います。

レザーとは?レザー(天然皮革)の特徴、産業、潜む問題について まとめ

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この記事を書いた人

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