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どうして今ヴィーガンファッションが注目されるのか?

「ヴィーガン」と聞くと、動物由来食品を摂取しない食事スタイルのことを想像する人が多いかもしれません。実は近年、洋服や生活雑貨といったファッションアイテムについても動物由来製品を避ける人々が増加傾向にあることを知っていますか? なぜ今ヴィーガンファッションが注目されているのでしょうか。その歴史とともに、ヴィーガンファッションの特徴や課題について学んでいきましょう。

目次

ヴィーガンファッションとは?

ヴィーガンファッションを考える上で、まず重要になってくるのがヴィーガンという考え方です。
Vegan(ヴィーガン)」とは、もともと「酪農製品を食べないベジタリアン」という意味で作られた言葉ですが、現在はそれがひろがり「動物製品の使用を行わない生活様式(ライフスタイル・文化)」という意味で使われるようになりました。

よってヴィーガンファッションとは、動物由来の素材を用いた衣服を身に付けないライフスタイルのことを指します。洋服はもちろん、カバンや靴、アクセサリーなど、あらゆる衣類において動物由来製品を避けるファッションスタイルのことです。

ヴィーガンファッションに用いられる素材

では、逆に動物性素材にはどのようなものが用いられているのでしょうか。

皆さんが普段身につけている衣類や鞄には画像のような動物性の素材が用いられています。
また、それぞれ下記のような問題があるのをご存知でしょうか?

レザー・・・地球温暖化の原因でもある食肉産業の拡大。レザー加工の過程で大量の科学物質を使用。
コラム記事: ヴィーガンファッション講座「どうしていけないのレザー?」はこちら
コラム記事: ヴィーガンファッション講座「どうしていけないのエキゾチックレザー?」はこちら

ダウン・・・ダウン製品の製造にはとてもたくさんの水鳥を必要とする一つのジャケットをつくるのに100〜150羽分もの羽毛を使用。
コラム記事: ヴィーガンファッション講座「どうしていけないのダウン?」はこちら

ファー・・・原料となる動物の乱獲や道徳的ではない方法での飼育を背景に、2019年、アメリカ50州初となる毛皮製品の製造と販売を禁止する法案が可決。
コラム記事: ヴィーガンファッション講座「どうしていけないのファー?」はこちら

シルク・・・シルクの製造工程では蚕が羽化する前に繭ごと茹でてている。また、蚕の遺伝子組み換えの問題など。
コラム記事: ヴィーガンファッション講座「どうしていけないのシルク?」はこちら

これらの問題を受け、代替素材としてアップルやサボテンなどの植物原料と樹脂を合成したバイオレザー、回収したペットボトルやポリエステルをリサイクルした再生繊維、木の実由来のダウン等がヴィーガンファッションにおける新素材として開発が進んでいます。

「エシカルファッション」とは何が違うの?

ヴィーガンファッションを語るうえで知っておきたいのが、エシカルファッションの存在です。

エシカルファッション(Ethical Fashion)とは人や環境、社会に対し倫理的に配慮したファッションを指します。例えば、リサイクル素材を使用した製品やフェアトレードの製品を購入、着用することで、ファッションにエシカルを取り入れることができます。

既にご存知かもしれませんが、「エシカルファッション」が重要視されるきっかけとなったのが、ラナ・プラザの悲劇。バングラデシュに位置する8階建ての商業ビル「ラナ・プラザ」で2013年4月24日に発生した、ビルの崩落事故です。死者が1,127人出たほか、行方不明者が約500人、負傷者が約2,500人と、甚大な人的被害をもたらしました。

当時、ラナ・プラザには数多くの有名アパレルブランドの縫製工場が存在しており、犠牲者の多くがそれらの縫製工場に勤めている工員たちでした。発生前日にはビルに亀裂が入っていることが確認されていたにもかかわらず、ビルのオーナーや経営者が安全管理を怠ったことで、多くの犠牲者を出す事態となりました。

「ファッション業界史上最悪の事故」と呼ばれるこの崩落事故の発生がきっかけとなり、ラナ・プラザでの低賃金かつ劣悪な労働環境が浮き彫りとなりました。すると、ファッション業界全体に、労働者の権利侵害や環境への深刻な悪影響といった重大な課題が数多く見つかり、ファッション業界全体として産業のあり方を見直す運びとなったのです。

つまり、倫理的に配慮したファッションの形を追求していくという点では、動物倫理を追求する「ヴィーガンファッション」と相違ないでしょう。ただし、エシカルファッションの中には、動物性素材を用いているものもあるので、基本的なエシカルの考え方に、動物倫理がプラスされていると言ってしまっても良いのかもしれません。

なぜなら、動物倫理に配慮したモノづくりに取り組むヴィーガンファッションブランドの多くは、同時に人や地球環境にも配慮している場合が多くあるからです。

動物由来素材の代替に植物由来素材を採用することで、動物由来素材の加工時に用いる水を削減したり、人体に悪影響のある化学薬品の使用を避けたりしています。それによって環境負荷が軽減されるほか、労働者の健康被害を防ぐことにもつながっています。

ラナ・プラザ崩落事故

つまり、倫理的に配慮したファッションの形を追求していくという点では、動物倫理を追求する「ヴィーガンファッション」とはないのではないでしょうか。ただし、「エシカルファッション」の中には、動物性素材を用いているものもあるので、基本的なエシカルの考え方に、動物倫理がプラスされていると考えた方が良いのかもしれません。

なぜなら、動物倫理に配慮したモノづくりに取り組むヴィーガンファッションブランドの多くは、同時に人や地球環境にも配慮している場合が多くあるからです。

動物由来素材の代替に植物由来素材を採用することで、動物由来素材の加工時に用いる水を削減したり、人体に悪影響のある化学薬品の使用を避けたりしています。また、それによって環境負荷が軽減されるほか、労働者の健康被害を防ぐことにもつながっています。

ほかにも、受発注や小ロットでの生産を行っているファッションブランドもあります。そうすることで、在庫過多や売れ残り品の廃棄処分を防ぎ、労働者の長時間労働も阻止しているのです。

ヴィーガンファッション、エシカルファッションの中に潜む「ウォッシュ」

ここまで、ヴィーガンファッションやエシカルファッションのについて見てきましたが、「グリーンウォッシュ」という言葉を聞いたことがあルでしょうか?

これは、環境への取り組みを誇張するような製品デザインや宣伝広告を用いることで、企業やブランドのイメージを操作することです。例えば、製品原料のうちわずか数%しかリサイクル素材を使用していないにもかかわらず「リサイクル素材を使用し環境に配慮した製品です」といったアピールを行う上辺だけの環境配慮のことをいいます。

他にも、すでに法律で使用が禁止されている化学薬品について「本製品は、◯◯の薬品を使用していません」とあえて記載することで、あたかも特別な配慮が行われているように見せかけ、消費者の誤解を招くような行為もグリーンウォッシュに当てはまります。

ヴィーガンやエシカルファッションにも、このような「ウォッシュ」製品が存在する場合があるため注意が必要です。

例えば「ヴィーガン」と謳っている製品で動物由来素材を使用していなくても、その製造段階で動物実験を行っていたり、取り扱い製品の一部にヴィーガンやエシカルなアイテムを取り入れているだけで「ヴィーガンブランド」や「エシカルブランド」の肩書きを掲げていたりする場合があります。

エシカルやヴィーガンといった言葉は、その意味が曖昧なまま使用されていることも少なくありません。
どこまで配慮されていれば、エシカル・ヴィーガンと呼ぶことができるのか。その普遍的な定義や判断基準が求められています。

良い製品を選びのコツ

それでは、より良い製品はどのようにして選ぶことができるでしょうか?製品選びにあたって意識すべきポイントを3つご紹介します。

植物由来素材の製品を選ぶ

動物に優しいヴィーガン素材の中には、合成繊維や化学繊維だけではなく、環境にも配慮している植物由来繊維・素材も存在します。

植物由来の素材のなかには、本来捨てられてしまうものを新たな素材に生まれ変わらせたアップサイクル品も多く、廃棄物削減による環境負荷の低減に役立っています。

また、牛や馬などの動物を飼育する場合とりんごやサボテンを育てる場合では、必要な水やエサ・肥料の量、それによって排出される二酸化炭素の量にも大きな違いがあります。Martin C Heller氏らの研究によれば、動物由来の肉や乳製品の生産によって発生する二酸化炭素は、食品の生産全体の7割以上を占めます。

出典:CARBON FOOTPRINT FACTSHEET(ミシガン大学)

植物由来の素材でできた製品を選ぶことで、環境への配慮を高めることが可能です。

フェアトレードの製品を選ぶ

フェアトレードとは、「公正取引」という意味。特に発展途上国における労働者の権利を守るため、公正で公平な価格、労働条件で継続的な取り引きを行うことをいいます。

フェアトレードの国際認証機関であるFairtrade Internationalでは、製品がフェアトレードであることを示すラベルを定めています。このラベルがついたアイテムを選ぶことで、労働者の権利を守ることができます。

またラベルがついていなくても、フェアトレードの製品は数多く存在しています。製品の輸入元や原産国やを確認し、気になるときは販売店に問い合わせるなどの工夫も大切です。

地産地消の製品を選ぶ

フェアトレードのような輸入製品ではなく、地産地消製品を選ぶこともより良い製品選びのコツです。

地元で生産される素材を使った製品や地元で加工・生産される製品を購入することで、製品輸送の際に発生する二酸化炭素を減らすことができるほか、地元産業や伝統を守ることにもつながります。

また、生産と消費の距離を近づけることで顔の見える関係を築きやすく、生産者と消費者が信頼のもとに製品を販売・購入することができます。それによって「ウォッシュ」製品が出回ることを未然に防ぎ、互いの環境意識を高めあっていくこともできるのです。

まとめ

エシカルファッションの需要の高まりとともに盛り上がりを見せているヴィーガンファッション。
本記事では、ヴィーガンファッションには、動物倫理のほかにも環境や社会への配慮といったポイントがあることをご紹介しました。

しかし記事でも触れたように、ヴィーガンファッションと一口にいっても、そこにはさまざまな素材や製品が存在しています。輸入品や国内製造品、化学由来製品や植物由来製品など、その特徴は多岐にわたります。

「ヴィーガン=エシカル」ではなく、消費者としてこだわりたい、配慮したいポイントを整理し、自分の信念にあったブランド、製品を主体的に選択していきましょう。

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この記事を書いた人

神奈川県横浜市出身。アメリカ在住経験を活かし、サステナブルな情報を日本から世界へ発信中。ソーシャルグッドなアイデアマガジン「IDEAS FOR GOOD」、サーキュラーエコノミー推進プラットフォーム「Circular Yokohama」運営メンバー。趣味はカフェ巡り。

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